会長あいさつ

当社は昨年(2009年)、創業100周年を迎えました。ドイツ人カール・ユーハイム氏が1909年に、ドイツの租借地・中国の青島のジャーマン・タウンに菓子喫茶の店を開きました。ところが、1914年に第一次世界大戦が勃発して、ドイツの軍港の街・青島は日本軍に占領され、カール・ユーハイム氏は捕虜として広島県似島の収容所に連行されました。1919年3月にドイツ人捕虜の作品展示販売会が広島県物産陳列館(現在の原爆ドーム)で催されました。カール・ユーハイム氏はバウムクーヘンを出品即売し、ドイツの銘菓が飛ぶように売れ、日本人の口に合うことを知り、日本の地を選びました。

1920年1月に釈放されたカール・ユーハイム氏は、家族を青島から呼び寄せ、横浜に店を開き、その後、神戸にユーハイム本店を開設いたしました。 菓子職人(コンディター・マイスター)カールが菓子を作り、妻エリーゼが店を切り盛りする二人三脚の典型的なドイツ人経営の店でした。 カールが焼き上げるお菓子はバウムクーヘンをはじめとして、フランクフルタークランツ、テーゲベック、アップルパイ等、当時の日本人にとっては目新しいものばかりでした。店には上品なドイツ娘エリーゼが立ち、ドイツ・デザインの外国人経営の店舗は人目を引き付けました。

洋風文化の粋を集めたユーハイムの店は、谷崎潤一郎の「細々雪(ささめゆき)」や堀辰雄(たつお)の「旅の絵」に取り上げられて、エキゾチックな港神戸の有名店として全国にその名が知れ渡るようになりました。これからも、ご主人カール氏の「清潔と親切」とエリーゼ夫人の「お母さんの味、それは自然の味」を企業理念として、「まっすぐなおいしさ」を標榜して、安全・安心・信頼のブランドを築いて参ります。お客様はユーハイムの信用を買いに来て下さいます。信用の下限が安心感で、信用の上限は期待感であると考えます。 私達の偉大な創業者、カール・エリーゼユーハイム夫妻の「創業の魂・創業の志・創業の夢」に周波数を合わせて「101年目の第一歩」を全社一丸となって力強く踏み出します。何卒今後とも、更なるご支援・ご愛顧を賜りますようお願い申し上げます。

株式会社ユーハイム 代表取締役会長 兼 CEO
河本 武